こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
今回は、全10回でお届けする連載の第6回目です。テーマは、不動産投資編の第2回として「融資(ローン)とリアルな収支構造」についてお話しします。
前回の記事では、2010年に中古ワンルームを現金で購入したところから始まり、地方1棟RCマンションの運用と2023年の売却、そして都内新築アパートへの買い換え(資産組み換え)に至るまでの軌跡をご紹介しました。
今回は、皆さんが最も気になるであろうお金のリアルな数字について詳しく切り込んでいきます。借入額、年間家賃収入、ローン返済額、そして現在の実際のキャッシュフロー(現金の手残り)の状況について、ファイナンシャルプランナーの視点を交えてお答えします。
■ 借り入れ総額1.3億円、投資物件ローン約1億円のリアル
最初の1戸目は手元の貯蓄を活用して現金で購入しましたが、2戸目以降は銀行からの融資を活用して買い増しを行ってきました。自宅マンションのローンも含めると、これまでに借り換えを含めて銀行5社から6回の融資を受けています。
現在の借り入れ総額は約1.3億円で、そのうち投資用物件に対するローンの残高は約1億円となっています。
サラリーマンとして日常を過ごしている中で「1億円の借金」と聞くと、とてつもなく大きなリスクを抱えているように感じるかもしれません。私自身も、最初に億単位の融資契約書にサインしたときは、独特の緊張感と責任の重さを感じたことを今でも覚えています。
しかし、資産運用の世界において、不動産投資におけるローンは「レバレッジ(てこの原理)」を効かせるための非常に強力なツールです。自分の手元資金だけでは買えない価値のある実物資産を購入し、その資産が発生させる収益によって借金を返済していくという仕組みだからです。
ここで大切なのは、「住宅ローン」と「事業用(投資用)ローン」の違いを正しく理解することです。住宅ローンは自身のサラリーマン給料から毎月返済していく「消費のための負債」ですが、投資用ローンは入居者様からいただく家賃収入から返済していく「事業のための負債」です。
返済の原資が自分の労働対価ではなく、物件が生み出す事業収益であるという構造を把握することが、過度な恐怖心を和らげる第一歩になります。
ただ「和らげるだけ」なんですけどね・・・真っ暗闇だったところに明かりが灯るイメージです。照明があっても夜は夜であることに変わりはありません。
■ 年間家賃収入1000万円とリアルな収支の内訳
では、実際の収支はどのようになっているのでしょうか。具体的な数字でお伝えします。
私のアパートやマンション群から入ってくる年間の家賃収入は、合計で約1000万円です。
一方で、当然ながら出ていくお金(支出)もあります。最大の支出は銀行へのローン返済で、元本と利息を合わせて年間で500万円を超えます。さらに、固定資産税や都市計画税といった税金、管理会社へ支払う管理委託手数料、共用部の電気代や水道代、火災保険料、入居者様の退去に伴う原状回復費用や設備の修繕費用などの諸経費がかかります。
これらの諸経費やローン返済をすべて差し引いた結果、現在の私の手元に残るキャッシュフロー(実際の現金手残り)は「月々25万円程度」となっています。年間で換算すると、約300万円の現金が手元に残る計算です。
一方で、確定申告などで計算する「所得ベース(会計上の利益)」で見てみると、プラスの数字はほとんど出ていません。
年間1000万円の家賃収入があり、1億円のローンを背負いながら、会計上の利益はほとんど出ずに手元の現金が月々25万円残る。この数字の組み合わせに、不思議な感覚を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
■ 所得ベースとキャッシュフロー(現金手残り)の違い
ここで、ファイナンシャルプランナーとして非常に重要な「会計上の損益(所得)」と「実際の現金手残り(キャッシュフロー)」の違いについて解説します。不動産投資の収支を正しく理解するうえで、この2つの仕組みを知ることは不可欠です。

不動産投資の収支を考える際、次の2つを明確に区別して計算する必要があります。
1つ目は「会計上の損益(所得)」です。これは確定申告などで税額を計算するための数字で、収入から必要経費と「減価償却費」を差し引き、さらに借入金返済のうち「利息部分」のみを引いて計算します。ここでの重要なルールとして、ローンの「元本返済部分」は経費にならないという点があります。ここが「お金は出ていくけど経費にならない」ものです。
2つ目は「実際の現金収支(キャッシュフロー)」です。これは、入ってきた家賃から、実際の現金支出である諸経費と「ローンの元本+利息」のすべてを差し引いた、手元に残る現実のお金のことです。
建物や設備が年月の経過とともに価値を減らしていく分を経費として計上できる「減価償却費」は、実際の現金の支出を伴わない会計上の経費です。そのため、減価償却費を大きく計上できている期間は、会計上の所得を低く抑えて税金の負担を軽くしつつも、手元にはしっかりと現金(私の場合、月々25万円程度)を残すという現象が起きやすくなります。「お金が出ていかないけど経費になる」部分ですね。
■ 月25万円のキャッシュフローをペーパーアセットへ循環させる
この手元に残る月々25万円(年間約300万円)のキャッシュフローは、私にとって非常に重要な役割を果たしています。
第2回の記事でお伝えした「積立投資(S&P500や全世界株式VTなど)」を覚えているでしょうか。実は、不動産投資によって毎月生み出されるこの月25万円のキャッシュフローこそが、積立投資や高配当投資を行うための貴重な原資となっているのです。

つまり、不動産という「実物資産」から得た家賃収入(現金)を、株式や投資信託といった「ペーパーアセット」へと順次変換していく資産循環のサイクルを作り上げています。
実物資産である不動産は、毎月安定したキャッシュフローを生み出してくれますが、流動性(すぐに現金化できる度合い)が低いというデメリットがあります。一方で、S&P500やインデックスファンドなどのペーパーアセットは、流動性が高く、世界経済の成長の波に乗って長期的・複利的に成長していく特徴があります。
共通する特徴としては「現金よりもインフレに強い」ものがありますね。
不動産が生み出す現金をペーパーアセットに変換し続けることで、実物資産と金融資産のバランス(アセットアロケーション)が自動的に整い、ポートフォリオ全体のリスクを分散しながら資産形成のスピードを大きく加速させることができます。
■ 元本返済と資産循環が生み出す二重の成長
自身のサラリーマン給与からの手出しがないばかりか、毎月約25万円の現金が得られ、それをペーパーアセットに再投資できていることには計り知れないメリットがあります。
なぜなら、手元に残る現金でペーパーアセットを購入して資産を増やしながら、同時に裏側では毎月の家賃収入によってローンの借入金(元本)が着々と減少しているからです。
私自身のポケットからお金を出すことなく、入居者様が支払ってくださる毎月の家賃によって私名義の借金が減り、物件の純資産価値が高まります。そして手元のキャッシュフローはペーパーアセットに形を変えて複利で成長していきます。
前回の記事でお話しした、地方の1棟RCマンションを売却した際にトータルで1500万円の利益が出たのも、まさにこの「約10年間にわたって、家賃によってローン返済が進み、元本が着々と減少していたから」にほかなりません。
不動産投資単体で終わらせるのではなく、そこから得られるキャッシュフローを株式などのインデックス投資へ循環させること。これこそが、サラリーマンが安全かつ確実にFIREへ近づくための強力なエンジンとなります。
■ 手残り資金の活用とリスク管理
もちろん、不動産投資には空室が発生するリスク、将来的な金利上昇のリスク、思いがけない設備故障などの修繕リスクが常に存在します。
そのため、月々25万円程度入ってくるキャッシュフローをすべて個人の生活費に使い果たしてしまうのは非常に危険です。得られた現金の一部は、突発的な大規模修繕や一時的な空室期間に備える「手元資金(内部留保)」として確保しつつ、余剰部分をペーパーアセットの買い付けに回すというメリハリのある管理が求められます。
私自身もサラリーマン給料からの補填が発生しないよう、手元資金に十分な余裕を持たせています。
適切なリスクコントロールを行っていれば、サラリーマンとしての給料だけに頼らない、年間300万円ほどの現金手残りと、ローン返済による純資産の着実な増加、そしてペーパーアセットへの再投資による複利効果という、堅牢な資産形成のシステムを構築することができます。
次回は、不動産投資編の第3回(全体第7回)として、個人事業主としての青色申告や税理士との付き合い方、自由度の高い働き方を目指すうえでのリアルな確定申告の実態などについてお話しします。
本ブログでは、皆さんからのコメントをお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。
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