働き方の壁を味方にする 第2回〜年収の壁の基本構造(2)社会保険に関する壁〜

FIRE

こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。

連載の第2回となる今回は、「社会保険に関する壁」について解説していきます。

前回は「税金に関する壁」についてお話しし、壁を超えても段階的に税金がかかるため、急激に手取りが減ることはないとお伝えしました。

働き方の壁を味方にする 第1回〜年収の壁の基本構造(1)税金に関する壁〜
FIREを目指す会社員向けの連載「働き方の壁を味方にする」第1回。所得税の178万円への引き上げなど2026年最新の「税金の壁」の仕組みをFPが解説。本人と扶養者の視点、住民税との違い、働き方による計算の差を紐解き、手取りが逆転しない安心の仕組みをお届けします。

しかし、今回取り上げる「社会保険の壁」は、税金とは全く異なる性質を持っており、労働者の手取り収入に甚大な影響を及ぼします。FIREに向けた世帯の資産形成を考える上で、絶対に避けては通れない最重要テーマと言えます。

手取りを大きく左右する「社会保険の壁」とは

社会保険に関する壁とは、サラリーマンの配偶者として加入している社会保険(健康保険や国民年金の第3号被保険者)の扶養から外れ、ご自身で社会保険に加入して保険料を支払わなければならなくなる基準のことです。

税金の場合、壁となる金額を超過した「はみ出した部分」にだけ税金がかかります。しかし社会保険の場合は、壁を超えてご自身の勤務先で社会保険に加入する義務が生じると、一定の保険料率に基づいて計算された金額が毎月の給与から天引きされることになります。

これにより、壁を超える直前の年収と比べると、手元に残る金額が一時的に減ってしまう「手取りの逆転現象」が実際に起きてしまいます。これが、長らく労働者の働き控えの最大の原因とされてきた理由です。

税金とは違う?社会保険ならではの「収入の算定ルール」

社会保険の扶養判定において特に注意しなければならないのが、「収入」の考え方が税金とは大きく異なるという点です。

税金の計算においては、通勤手当(交通費)は一定額まで非課税となります。

しかし、社会保険の扶養認定における収入の算定基準には、この通勤手当が全額含まれるのです。基本給だけなら壁に収まっているつもりでも、通勤手当を合算した結果、基準を1円でも超過してしまえば、その時点で扶養の対象外と判定されてしまうトラップがあります。

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