こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
連載第3回となる今回は、これまで解説してきた「税金に関する壁」と「社会保険に関する壁」の基本構造の総まとめを行います。
パートタイムやフリーランスとして働く配偶者の方、あるいはFIRE達成後に新しい働き方を実践するご自身にとって、働き方を決める判断軸はどこにあるのでしょうか。
2つの壁の違いを整理し、世帯全体にとってのメリットとデメリットをどう捉えるべきか、FPの視点から解説していきます。
税金と社会保険の決定的な違いのおさらい
まずは、第1回と第2回で学んだ2つの壁の決定的な違いを振り返りましょう。
税金の壁
税金の壁(所得税・住民税など)は、基準となる金額を超えた「超過分」に対してのみ段階的に課税される仕組みです。
そのため、壁を少し超えたからといって手取り額が急激に減ることはなく、働けば働くほど手元に残るお金は着実に増えていきます。また、通勤手当(交通費)は一定額まで非課税となり、収入の計算には含まれません。
社会保険の壁
一方、社会保険の壁(健康保険・厚生年金)は、基準を超えて加入義務が生じた瞬間から、一定の保険料率に基づいた金額が給与から天引きされる仕組みです。
超過分だけでなく収入全体をベースに保険料が計算されるため、壁を超えた直後は手取り額がガクッと減ってしまう「手取りの逆転現象」が起きます。さらに、税金とは異なり通勤手当も全額が収入として計算される点に注意が必要でした。
壁を越えた時の「手取り」の変化イメージ
この2つの壁が手取り額に与える影響をイメージすると、税金の壁は「なだらかな上り坂」、社会保険の壁は「一時的な谷」と表現することができます。

収入を増やしていく過程で、税金が発生したり、配偶者控除が縮小したりしても、世帯全体の手取りは右肩上がりの坂道を登り続けます。
しかし、社会保険の壁に到達した瞬間、保険料の支払いによって手取りのグラフは一時的に谷へ落ち込みます。そして、さらに労働時間を増やして収入を上げていくことで、ようやく谷を抜け出し、再び坂道を登り始めることができるのです。
多くの人が「年収の壁」を恐れて働き控えをしてしまうのは、この社会保険がもたらす「手取りの谷」をどうしても避けたい心理が働くためです。

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