こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
連載の第7回は、資産運用を主体としつつ、少額の労働や事業収入を得る「サイドFIRE」の戦略について解説します 。
ここでは、サイドFIREは配当などの資産からの収入と、フリーランスなどの事業収入を組み合わせるアプローチとしています。
ファットFIREのように完全に労働をゼロにするのではなく、好きな仕事やフリーランスとしての活動を自分のペースで続けながら生活費の一部を稼ぐサイドFIREは、非常に現実的で人気のある選択肢です。
しかし、会社員の配偶者の扶養に入りながらこの戦略を実践しようとする場合、落とし穴が存在します。
税金と社会保険で異なる投資収益の扱い
サイドFIREを目指す方にとって、NISA口座や特定口座を活用した資産運用は欠かせません。税制上、NISA口座内で得た配当金や譲渡益、あるいは特定口座で確定申告不要を選択した利益は、課税所得に算入されない仕組みになっています 。
したがって、これらの運用益がいくら増えても、税務上の扶養である配偶者控除などから外れることはありません 。
しかし、社会保険における健康保険や厚生年金の被扶養者認定においては、収入の概念が税制とは全く異なります 。社会保険の基準は、課税か非課税かを問わず、継続的な収入があるか否かという点が重視されます 。
130万円の壁に潜む継続的収入のトラップ
もし配偶者の社会保険の扶養に入りながらサイドFIREを目指す場合、「130万円の壁」の判定に投資収益が合算されるリスクに注意する必要があります 。
健康保険組合などがこの判定において最も重視するのが、投資収益の継続性です 。例えば、定期的に支払われる高配当株からの配当金や、投資信託からの定期分配金は、継続的な収入と見なされやすく、130万円の枠を圧迫する可能性が高くなります 。
また、1年間に何度も頻繁に行うデイトレードやスイングトレードによる売却益も、継続的収入と判定されて扶養取消しの事由となる恐れがあります 。
さらに厄介なことに、これらの最終的な判断基準は法令で一律に規定されているわけではなく、個別の健康保険組合や協会けんぽの裁量に委ねられているのが実情です 。
扶養を守るためのポートフォリオ
では、社会保険の扶養を維持しながらサイドFIREの資産を運用するにはどうすればよいのでしょうか。
対策の基本は、投資信託の分配金を現金で受け取らず、ファンド内で自動的に再投資するスタイルの商品を選ぶことです 。
これにより、手元に現金が入ることを防ぎ、資産の内部成長を優先させることができます 。生活資金が必要になった場合は、年に1回程度のスポット的な売却に留める計画的な取り崩しを行うのが有効です 。
取引頻度が年に1回のみであれば、一時的な収入として除外される可能性が高くなります 。
高配当株投資によるキャッシュフローの創出はサイドFIREと相性が良いように思えますが、社会保険の扶養基準と照らし合わせるとリスクを伴います 。

防衛的なポートフォリオ管理を行うことが、制度の壁を味方にする重要なアプローチとなります 。
事業所得とのバランス管理
サイドFIREでは、これに加えてフリーランスとしての事業収入なども発生します。事業収入と、継続的と見なされる可能性のある投資収益の合算が130万円を超えないよう、日頃から正確な帳簿付けと収入管理を行うことが求められます。
もし事業が軌道に乗り、意図せず壁を超えてしまいそうな場合は、配偶者の扶養を外れてご自身で国民健康保険等に加入するか、次回のテーマである別の働き方にシフトするなどの判断が必要になってきます。
今回は、サイドFIREにおける投資収益と社会保険の壁の関係について解説しました。継続的収入に気をつけるという意味では前回のファットFIREのお話と同じですが、自身の勤め人(または個人事業主)としての収入など、複数の収入をコントロールする必要がある点から、サイドFIREのほうがやや難易度が高いと言えそうです。
次回、最終回となる第8回では、週20時間労働を活用して自ら社会保険に加入する「バリスタFIRE」の戦略についてお話しします。このハイブリッドな働き方を、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
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