こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
さて、皆さんは最近、世の中の「金利」を意識する機会が増えていないでしょうか。住宅ローンの変動金利に関するニュースや、銀行の預金金利がわずかに引き上げられたという話題を日々の生活の中で耳にすることが多くなりました。
日本は約30年もの間、無金利、あるいは超低金利という、世界でも類を見ない特異な環境にありました。しかし今、私たちは明確に「金利のある世界」への転換期を迎えています。
この連載では、全4回にわたって、金利が上昇していく局面において、日々忙しく働くサラリーマンがどのように大切な資産を守り、育てていくべきかを解説していきます。
第1回となる今回は、資産運用の大前提となる「実質金利」の考え方と、確実に守るべき資金の管理手法についてお話しします。
■「金利のある世界」への転換を意識しよう
まず前提として、私たちが30年近く経験してきた「無金利・超低金利」の世界は、ある意味で特殊な状況でした。
銀行にお金を預けても増えはしませんが、逆に言えば、ただ預けておけば資産の価値が変わらない、安心できる時代でもありました。しかし、金利が上昇する局面では、状況は一変します。
住宅ローンの変動金利を借りている方にとっては、金利上昇はダイレクトに家計を圧迫する要因となります。一方で、資産運用においても、金利上昇に応じた適切な金融商品の選択が求められます。
これまでと同じ方法で資産を守ろうとすると、思わぬところで損をしてしまう可能性があるのです。
■名目金利ではなく「実質金利」で考える
資産運用の大前提となるのが、私たちがもっとも注意しなければならない「名目金利」と「実質金利」の違いです。
銀行の店頭やウェブサイトに表示されている年0.2パーセントや0.4パーセントといった数字は「名目金利」と呼ばれます。しかし、本当の意味で資産が増えているかどうかを判断するには、ここから物価の上昇分を差し引いた「実質金利」で考える必要があります。
計算式は非常にシンプルです。 実質金利 = 名目金利 - 物価上昇率

例えば、銀行に預けた1000万円に対して年0.4パーセントの利息がつく状況で、世の中の物価が年2.0パーセント上昇していたとしましょう。この場合、実質金利は0.4パーセントから2.0パーセントを引いた、マイナス1.6パーセントとなります。
通帳に記帳される数字は毎年少しずつ増えていくため、一見するとお金が増えているように感じます。
しかし、物価が2.0パーセント上がっているということは、今まで100円で買えていたものが102円出さないと買えなくなるということです。つまり、お金の価値そのものは物価上昇のスピードに追いつけず、実質的に目減りしていることを意味します。
仮にこのマイナス1.6パーセントという状態が30年続いたと仮定すると、現在手元にある1000万円の実質的な価値は、約617万円にまで下がってしまいます。
日々の業務に励みながら、FIREを目指して着実に資産を積み上げているサラリーマンにとって、このインフレによる資産の浸食は、投資で損失を出すことと同じくらい無視できない大きなリスクと言えます。
■まずは「資金の色分け」から始めよう
では、インフレに負けないために、すべての資金をリスクの高い株式投資などに回すべきかというと、決してそうではありません。ここで重要になるのが、目的や時期に応じた「資金の色分け」です。
特に、ここ2、3年以内に使う予定がある資金や、ライフイベント(結婚、出産、住宅購入の頭金、お子様の教育費など)に備えるための資金は、何があっても守らなければならない「安全資産」として管理すべきです。
金利が上がっているからといって、あるいはインフレで目減りするからといって、こうした近い将来に確実に必要となるお金まで、元本割れのリスクがある株式や投資信託に過度に振り向けるのは大変危険です。
まずは、突然の収入減や支出に備える生活防衛資金と、近々の予定資金をしっかりと確保することが大切です。
その上で、「金利のある世界」に適した安全な運用先を選んでいくことが、経済的自立への堅実な第一歩となります。
■次回予告:定期預金の選び方
今までの、ただ銀行に預けておけば安心という時代から、賢く預け先を選ばなければ資産の価値が静かに減っていく時代に変わりました。
では、具体的にどのような金融商品を選べば、リスクを最小限に抑えつつ、金利上昇の恩恵を効率よく受けることができるのでしょうか。
次回は、私たちの生活にもっとも身近な金融商品である「定期預金」をテーマに、金利上昇局面で損をしないための選び方のコツと、具体的な乗り換え戦略について詳しく解説します。
本ブログでは、皆さんからのコメントと応援クリックをお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。


コメント