「金利のある世界」への転換期を賢く生きる〜第2回 定期預金の戦略〜

資産を増やす考え方

こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。

前回の記事(こちら)では、物価上昇が続く中で資産を守るためには「名目金利」ではなく「実質金利」で考えることの重要性をお伝えしました。また、近い将来に使う予定がある資金については、リスクを抑えた「安全資産」で管理すべきだという基本についても触れました。

第2回となる今回は、その安全資産の代表格である「定期預金」について深掘りしていきます。金利が上がっている今、どのような基準で預け先や期間を選べばよいのか。その戦略をファイナンシャルプランナーの視点から解説します。

■安全資産の「守り」もFIRE達成には不可欠

まず前提として、投資の世界では「リスクを取ってリターンを得る」ことが重視されますが、FIREを目指す過程において、生活の基盤となる現金管理(キャッシュマネジメント)も同じくらい重要です。

特に、お子さんの教育資金や住宅購入の頭金、あるいは生活防衛資金といった「ここ数年で確実に使うお金」については、定期預金などの元本保証がある商品を活用するのが鉄則です。

攻めの投資を支えるのは、常に守りの現金管理です。インフレで実質価値が目減りしやすい現金だからこそ、少しでも有利な条件で、かつ柔軟に動かせる状態にしておくことが、不確実な時代を生き抜く知恵となります。

では、これから金利が上がっていくことが予想される世界で、私たちはどのような定期預金を選ぶべきでしょうか。

結論からいうと、現在は「なるべく期間の短い定期預金」を選び、満期が来るたびに新しい預金へ乗り換えていくのが良いでしょう。具体的には、3ヶ月や6ヶ月、長くても1年程度の期間を選ぶのが望ましいと考えます。

■なぜ「長期固定金利」を選んではいけないのか

なぜ、金利が高い傾向にある「長期間(3年や5年、10年)」の定期預金を選ばないほうがよいのでしょうか。そこには、金利上昇局面ならではの落とし穴があるからです。

例えば、少しでも高い金利を得ようとして、今この瞬間に「10年固定」の定期預金に預け入れたとします。

もし、その 1年後や2年後に市場金利がさらに大きく上昇し、より魅力的な金利の預金が登場したとしても、10年固定で預けているお金は当時の低い金利に縛られたままになってしまいます。

もし途中で解約して新しい預金に預け替えようとすれば、通常は「中途解約利率」という非常に低い金利が適用されてしまい、本来得られるはずだった利息を大きく損なうことになります。

つまり、長期間の固定金利は、これから金利が上がる場面においては「高い金利を享受するチャンスを逃してしまう」というリスクを抱えているのです。

■「短期転がし(ロール)」で金利上昇の波に乗る

一方で、3ヶ月や6ヶ月といった短期間の定期預金を選んでおけば、満期が来るたびにその時点の最新の金利で預け直すことができます。

この方法の最大のメリットは、世の中の金利上昇に合わせて、自分の資産の適用金利も段階的に引き上げていける点にあります。

場合によっては、3年前に無理をして契約した10年定期預金の金利よりも、今の6ヶ月定期預金の金利のほうが高いという「逆転現象」が起きることも十分に考えられます。

■金利と利便性で選ぶならネット銀行がおすすめ

また、預け先として注目したいのが、インターネット銀行(ネット銀行)です。

実店舗を持つ従来の銀行に比べて、ネット銀行は人件費や店舗運営費を抑えられる分、預金金利を高く設定しているケースが多く見られます。

さらに、ネット銀行の中には「1ヶ月定期」や「2週間定期」といった超短期の商品を扱っているところもあり、金利動向を見極めながら機動的にお金を動かしたいサラリーマンの皆さまにとっては、非常に使い勝手の良いツールとなります。

スマートフォンのアプリで手軽に満期時の手続き設定ができる点も、忙しい現役世代には嬉しいポイントです。

■次回予告:個人向け国債の活用

金利上昇の波をうまく捉え、短期の定期預金を「転がして」いくことで、着実に利息を積み上げていきましょう。

さて、定期預金は非常に便利な道具ですが、実は「安全資産」の中には、金利上昇局面でさらなる威力を発揮する商品が存在します。それは、国が元本と利子を保証する「国債」です。

次回は、特にサラリーマンの資産形成と相性が良い「個人向け国債」の活用術について、詳しくお届けします。

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