サラリーマンの身近な資産形成「従業員持株会」
そのような環境下で、サラリーマンにとって身近な株式投資の手段となっていたのが「従業員持株会」です。
勤め先の会社の株式を給与天引きで定期的に購入する仕組みですが、多くの企業で会社から奨励金(購入額に対する数パーセントから十数パーセントの上乗せ)が支給されていました。
日本経済全体が右肩上がりの成長を遂げていた時代、自社の業績拡大とともに株価も上昇し、気づけばまとまった資産になっていたというサラリーマンも少なくありません。
高金利の定期預金と並び、この持株会制度は、当時のサラリーマンの資産形成を支える強力な柱の一つとして機能していました。
今でもこの制度がある会社は少なくありません。私の所属する会社にも存在します。
有力な資産形成方法ではあるのですが、すでに労働力を投資している個別の会社に、さらに資本を投入することになります。
分散投資の観点からすると「集中し過ぎかな」と感じるので私は利用していません。
FIREの王道「投資信託」は昔どうだったのか
現在のFIRE戦略において、最も基本となるのは「低コストのインデックス型投資信託」を「長期・分散・積立」で運用することです。NISAなどの非課税制度も、これを強力に後押ししています。
では、当時の投資信託はどうだったのでしょうか。結論から申し上げると、当時の投資信託は、現在のような長期的な資産形成の主役にはなりにくい商品性でした。
購入時に販売手数料が数パーセントかかるのが当たり前であり、保有期間中にかかる信託報酬(管理費用)も高いものが主流でした。
また、販売側が手数料収入を得るために、顧客に短期的な売買を繰り返させる運用が一般的であった側面もあります。
世界中の株式に分散投資をして、長期間じっくりと複利で増やすという、現在の私たちが実践しているような投資信託の活用法は、当時ほとんど浸透していなかったのです。

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