50代からの戦略的FIRE〜第1回:大企業の早期退職と「シニア・ペナルティ」の現実、そして手取りを最大化する税制優遇〜

FIRE

こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。

今回は「50代からの戦略的FIRE」と題した全6回連載の第1回をお届けします。

テーマは、近年話題となることが多い大企業の早期退職の実態と、そこに関わるお金の現実、そして手取りを最大化する税制の仕組みについてです。

業績が堅調でも行われる「黒字リストラ」の真意

2025年度から2026年度にかけて、日本を代表するような大手企業が相次いで早期退職の募集を行っています。

かつて人員削減といえば、業績が悪化した企業が倒産を回避するための延命措置として行う最終手段としての意味合いが強いものでした。

しかし現在のトレンドは大きく異なり、財務基盤が強固で足元の業績が堅調な企業であっても人員削減を行う「黒字リストラ」が積極的に断行されています。

なぜ企業はこのような行動に出るのでしょうか。

その背景には、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進やAI技術の実装など、企業が戦うべき競争領域が劇的に変化しているという切実な事情があります。

過去のビジネスモデルに最適化された人員構成のままでは新たな事業展開の足枷になると判断し、手厚い割増退職金を提供して中高年層に円満な退出を促しているのです。

そして浮いた人件費を、次世代の成長領域を担う高度専門人材の獲得や若手社員へ再配分するという、組織の新陳代謝を図っています。

会社に残り続けた場合の「シニア・ペナルティ」

このような会社の動きに対して、労働者である私たちはどう向き合うべきでしょうか。

ここで知っておくべきなのが、現在の会社に残り、定年延長や再雇用制度を利用して働き続けた場合に得られる将来の給与水準です。

日本の大企業では、定年後に再雇用などで働き続けた場合、職務内容や責任範囲が大きく変わらないにもかかわらず、賃金水準が著しく低下する「シニア・ペナルティ」と呼ばれる構造が存在します。

実態調査などのデータによれば、50代後半の年収水準を100とした場合、60代前半の再雇用時には約75パーセント前後にまで下落し、さらに60代後半になると約60パーセント前後にまで減額される傾向があります。

大企業にお勤めの方ほど50代までの給与水準が相対的に高いため、再雇用に伴う一律の賃金カットが適用された際の絶対的な減少幅は極めて大きくなります。

これまで長年会社に貢献してきたにもかかわらず、急激な収入減を受け入れなければならないことは、働くモチベーションの面でも大きな負担となり得ます。

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