こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
今回は「50代からの戦略的FIRE」連載の第2回として、現実的な資金をベースにした65歳の年金受給開始までの「ブリッジ戦略」と、取り崩しの計算方法について解説します。
50代の現実的な資産額とFIREのハードル
FIREに向けた資金計画を立てる際、世界的な基準となっているのが米国発祥の「4%ルール」です。
これは、年間支出の25倍の資産を構築し、年利4%(インフレ調整後)で運用できれば、理論上は元本を枯渇させることなく生活費を賄えるという経験則です。
例えば、50代の夫婦2人世帯で基礎的な生活費を年間400万円と設定した場合、その25倍である「1億円」の運用資産が必要になります。
しかし、50歳で早期退職する際、これほど莫大な資産を用意できる方はごく一部です。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、50歳代の二人以上世帯における貯蓄額の平均は1,147万円、中央値は300万円となっています。
仮に早期退職の割増退職金として2,000万円を受け取ったとしても、手元の総資金は3,000万円前後となるのが、多くの方にとって現実的なラインと言えるでしょう。
日本の充実した社会保障制度では原則65歳から公的年金を受給できるため、50歳からのFIREにおいては、1億円を目指す完全なリタイアモデルではなく、「手元の3,000万円で、65歳までの15年間(ブリッジ期間)をいかに乗り切るか」という視点が重要になります。
「資本回収係数」を使った簡単な取り崩しシミュレーション
手元の資産を運用しながら一定期間で取り崩していく場合、毎年いくらまでなら受け取れるのかを簡単に計算できる便利なツールがあります。それが「資本回収係数」です。
資本回収係数とは、現在の元本を一定の利率で複利運用しながら、目標とする期間内に毎年均等に受け取れる金額(または取り崩せる金額)を計算するための係数です。
「元本 × 資本回収係数 = 毎年の受取額」というシンプルな掛け算で求められます。
総資金3,000万円を確保した50歳の方を例にシミュレーションしてみましょう。
全額をリスク資産に投資するのは危険なため、まずは直近の生活防衛資金や急な出費に備えて500万円を現金(安全資産)として残します。
そして、残りの2,500万円をペーパーアセット(全世界株式インデックスファンドや高配当ETF、債券など)で運用しながら、15年間かけてゼロになるまで取り崩すと仮定します。

運用利回りを保守的に年利3%(税引後・インフレ調整後)とした場合、15年間の資本回収係数は「約0.08377」となります。
- 2,500万円 × 0.08377 = 約209万円
つまり、2,500万円を年利3%で運用しながら15年間で取り崩す場合、毎年約209万円(月額約17.4万円)を生活費として引き出すことができます。

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