こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
前回は不動産投資の罠と対策についてお話ししました。

今回は、不動産と並んで新たな収入 of 柱となり得る「起業(スモールビジネス)」について解説します。
今回は「50代からの戦略的FIRE〜割増退職金で実現する年金受給までの『逃げ切り』プラン〜」連載の第4回をお届けします。
退職金での起業は危険という一般的なイメージに対し、客観的なデータが示す生存確率の高さと、その裏に隠されたリアルな収入の壁、そして事業を本当に継続させるための考え方について、ボリュームを増やして詳しくお伝えします。
起業の5年生存率は国際的に見て驚異的に高い
長年勤めた会社を早期退職し、割増退職金を元手に起業や独立をする。
これを聞いて、多くの方は「中高年の起業はハイリスクだ」「退職金を溶かす愚行だ」という直感的な悲観論を抱くかもしれません。
しかし、日本のマクロデータは、このイメージとは異なる実態を示しています。
中小企業白書(2017年)のデータ分析によると、日本における起業の5年生存率は81.7パーセントという傑出した数字を示しています。
欧米諸国における起業後の5年生存率を見ると、米国が48.9パーセント、フランスが44.5パーセント、英国が42.3パーセント、ドイツが40.2パーセントとなっています。
いずれの国も過半数の新規企業が5年以内に淘汰されていることと比較すると、日本の生存率は驚異的な水準であると言えます。
また、日本政策金融公庫が実施した「新規開業パネル調査」でも、創業融資を受けてから5年後の生存ステータスは、存続が83.3パーセント、廃業がわずか15.2パーセントという結果が出ています。
周到に準備された上で市場に参入するため、一度立ち上がれば生き残る確率が高いのが日本の特殊性です。
平均値と中央値にある「残酷なギャップ」
統計上は8割以上が生き残る日本の起業ですが、ここで極めて重要な事実をお伝えしなければなりません。
それは、統計上の「生存」とは、単に「廃業届を出していない」「倒産していない」という状態を指すに過ぎず、「十分な生活費を稼げている」こととはイコールではないという点です。
では、実際に起業した人々はどれくらい稼げているのでしょうか。ここに、統計データの「残酷なギャップ」が存在します。
国税庁の「申告所得税標本調査(令和4年分)」によると、個人事業主の事業所得の平均額は約473万円となっています。この数字だけを見ると、会社員の平均給与水準と比べても遜色がなく、十分に生活していけるように思えます。
しかし、ここには「平均値の罠」が潜んでいます。一部の大きく稼いでいる大成功者が平均値を引き上げているため、実態をより正確に表す「中央値(データを順番に並べたときに真ん中にくる金額)」を見る必要があります。
各種の実態調査を基に分析すると、個人事業主の所得の中央値はおおむね261万円程度にとどまるとされています。
つまり、生き残っている起業家の半数以上は、年間の所得(売上から経費を差し引いた手元に残る利益)が260万円台、あるいはそれ以下であるというのが厳しい現実なのです。

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