50代からの戦略的FIRE〜第5回:適度な労働による防衛策「バリスタFIRE」〜

FIRE

こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。

今回は「50代からの戦略的FIRE」連載の第5回です。前回は、起業(スモールビジネス)の現実と対策についてお話ししました。

50代からの戦略的FIRE〜第4回:「退職金での起業は危険」の嘘と現実〜
起業の5年生存率は8割超ですが、実は「生存=黒字」ではありません。本記事では平均値と中央値にある残酷なギャップや二極化の現実をデータで解説。資産運用と組み合わせ、無理なく目標額を下げる現実的なスモールビジネス戦略をFPが補足します。

今回は、起業よりもさらに心理的なハードルが低く、多くのサラリーマンにとって現実的で防衛力の高い選択肢である「バリスタFIRE(ダウンシフト)」について解説します。

中高年の転職市場における市場価値の二極化

早期退職で割増退職金を受け取り、会社を去るという選択は、必ずしも労働市場からの完全な撤退を意味するわけではありません。

むしろ、確保した金融資産をベースに生活の安全網を築きつつ、自らのライフスタイルに合わせて働き続けるセミリタイアモデルが、40代から50代にとって合理的な解として浮上しています。

その背景には、現在の日本の転職市場における40代から50代の求人の明確な二極化があります。

一方は、高度な専門スキルやDX関連技術、プロジェクトマネジメントの実務経験を持つプロフェッショナル人材に対する高待遇のオファーです。

他方は、特定の専門スキルを持たず、社内の調整業務などに特化してきたゼネラリストに対する極めて厳しい現実です。

大企業の看板が外れた状態でのフルタイム転職において、かつてと同じ職位や給与水準を求めることは非現実的であり、大幅なダウンを受け入れる覚悟が必要となります。

週3日から4日勤務へ働き方を緩める「ダウンシフト」

このようにフルタイムでの転職難易度が高い中高年層において、極めて有効な戦略となるのが、正規雇用に固執せず、働き方を緩める「ダウンシフト」です。

具体的には、週に3日から4日程度の勤務や、業務委託契約によるプロジェクト単位での参画などを指します。

例えば、50歳で5000万円の退職金と貯蓄を確保した方を想定してみましょう。

ペーパーアセットなどの資産運用によって年平均150万円の運用益を得られる体制を構築した場合、年間の生活費が400万円であれば、残りの250万円を労働収入で補えば、資産の元本に手をつけることなく生活が成立します。

年間250万円の労働収入は、月額換算で約21万円です。この水準であれば、過酷な労働環境に身を置かずとも、自身の興味がある分野でのパートタイム勤務などで達成できる可能性があります。

組織のしがらみや長時間労働から解放されると同時に、社会との繋がりを維持して孤立を防ぐことができます。

社会保険の適用拡大を最大限に活かす

さらに、このダウンシフト戦略には制度上の大きな利点があります。それは、法改正による社会保険の適用拡大です。

一定の条件を満たす週20時間以上のパートタイム労働であれば、勤務先の社会保険(厚生年金や健康保険)に加入することが可能となっています。

早期退職後に国民健康保険へ切り替えると非常に高額な保険料負担が発生することがありますが、パートタイム勤務で企業の社会保険に加入できれば、この高額な負担を回避しつつ、将来の厚生年金受給額を少しでも上積みすることができます。

さらに、雇用保険によるセーフティネットにも属し続けることが可能です。

次回は最終回

次回はいよいよ最終回です。これまでの連載内容を総括し、単一の収入源に依存しない「収入の複線化」で作る盤石なFIRE生活の全体像についてまとめます。

本ブログでは、皆さんからのコメントをお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。

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