こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。
FIREを目指す固定費見直しシリーズも、いよいよ個別の項目としては最後のテーマとなりました。第6回は、多くの人が「なんとなく不安だから」という理由で加入しがちな「保険」について、特に「生命保険」についてです。
「安心」という目に見えない価値と引き換えにお金を払うのが保険です。そのため、他の固定費のように単純な損得勘定で判断しにくい、非常にデリケートな分野と言えるでしょう。
しかし、その「安心」のために、必要以上のお金を払い続けているケースが非常に多いのも事実です。今回は、FIREを目指す皆さまが知っておくべき「保険との正しい付き合い方」を解説します。
保険の大原則「低確率・高インパクトの事態に備える」
まず、保険が本来どのようなリスクに備えるためのものか、という大原則を理解しましょう。それは、「起こる確率は低いが、万が一発生してしまった場合に、経済的に破綻してしまうような甚大な損害」に備えるためのものです。
例えば、一家の大黒柱が突然亡くなってしまう、火事で家が全焼してしまう、といった事態です。貯金だけでは到底カバーできない損害に備えるのが、保険の本来の役割です。
逆に言えば、貯金でカバーできる範囲の出来事(例:数日間の入院費用)に対して、手厚い保険をかける必要性は低い、ということになります。
あなたはすでに「最強の公的保険」に加入している
民間の保険を検討する前に、私たちがすでに加入している日本の「公的保険制度」がいかに優れているかを知っておく必要があります。
- 健康保険と「高額療養費制度」
- 年金制度(遺族年金・障害年金)
日本では、病気やケガで病院にかかっても、医療費の自己負担は原則3割です。さらに、月々の医療費の自己負担額には上限が設けられています。これが「高額療養費制度」です。一般的な収入のサラリーマンの方であれば、どんなに高額な治療を受けても、月の自己負担額はおよそ8〜9万円程度に収まります。この制度があるおかげで、「医療費で破産する」というリスクは、比較的低く抑えられています。
年金制度(遺族年金・障害年金): 会社員・公務員の方が亡くなった場合、残された家族には「遺族年金」が支給されます。また、重い障害を負った場合には「障害年金」が支給されます。これらは、万が一の際の生活を支える非常に重要なセーフティネットです。
そのため民間の保険は、これらの手厚い公的保険でカバーしきれない部分を、必要に応じて補うもの、と考えるのが基本です。
【実践編】保険見直しの3つのポイント
では、具体的にどの保険をどう見直せばよいのでしょうか。
ポイント1:生命保険(死亡保険) これは「誰のために、いくら必要か」が全てです
- 独身の方: あなたが亡くなっても経済的に困る人がいないのであれば、高額な死亡保険は基本的に不要です。ご自身のお葬式代として200〜300万円程度のシンプルな保険で十分でしょう。
- お子さんがいる方: 最も死亡保険の必要性が高い世帯です。ただし、必要な保障額は「(遺された家族の将来の支出)ー(配偶者の収入+遺族年金などの公的保障)」で計算できます。お子様の成長とともに必要な保障額は減っていきます。
【FPからのおすすめ】: 保険料が高くなりがちな貯蓄型の「終身保険」ではなく、一定期間だけを保障する、保険料の安い「定期保険」や「収入保障保険」を活用するのが合理的です。
ポイント2:医療保険は解約を前提に考えてみましょう
前述の通り、日本には高額療養費制度があります。100〜200万円程度の貯金があれば、ほとんどの入院・手術には対応可能です。そのため、過度な医療保険は不要と考えるのが合理的です。 もし、どうしても貯金を取り崩したくない、という場合でも、入院日額5,000円程度のシンプルなプランで十分でしょう。あれもこれもと多くの特約をつけるのは、保険料を無駄に引き上げる原因になります。
ポイント3:がん保険
がんは治療が長期化したり、先進医療など公的保険適用外の治療の選択肢があったりするため、別途備えておきたいと考える方が多い保険です。これは個人の価値観にもよりますが、私なら、医療保険よりも優先すべきと考えます。なお、医療保険の特約として付けるよりも、単独のがん保険で比較検討する方が、より自分に合ったものを選べます。
まとめ:「お守り」から「合理的な備え」へ
保険の見直しは、「不安」という感情と向き合う難しい作業です。しかし、「なんとなく不安だから」とお守りのように高い保険料を払い続けるのは、FIREへの道を遠ざけてしまいます。
まずは日本の手厚い公的保険を理解し、本当に必要な保障だけを、合理的な価格で備える。それが、賢い保険との付き合い方です。
保険の見直しは、独力では難しいですね。でも「ほけんの◯◯」のようなところで相談するのは、結局のところ新たな保険の加入を勧められるのがオチです。それが仕事ですからね。
良さそうなのは、独立系のファイナンシャルプランナーに、「自分に必要な生命保険・損害保険の補償内容を洗い出してほしい。ただし、あなたからは保険は買わない」と依頼することでしょうか。この場合、相談料は掛かりそうですね。1時間の面談を3〜5回、1回あたり5千円としたら1.5万円〜2.5万円くらいは必要になりそうです。あと、そもそも受けるFPがかなり少数な気がします・・・ご自身で深く勉強されるのが良いかもしれません。
【次回予告】 【第7回】安易な値下げは危険?「損害保険」の最適化は、全てを見直した人だけに勧めたい
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