【第7回】安易な見直しは危険?「損害保険」の最適化は、全てを見直した人だけに勧めたい

FIRE

こんにちは、FP-kawaです。このブログでは、経済的自立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」を目指すサラリーマンの皆さまに向けて、お金に関する様々な情報をお届けしています。

さて、全8回でお届けしている本シリーズも、いよいよ大詰め第7回です。 今回のテーマは「損害保険(火災保険・自動車保険)」です。

正直に申し上げると、見直しはおすすめできません

私は新卒から損害保険会社で約10年間従事し、営業として保険をおすすめする部署と火災保険や損害賠償責任保険などをお支払いする部署の両方を経験してきました。その経験から正直に申し上げます。今回の内容は、これまでの第1回〜第6回までの見直しをすべて完了した方だけに読んでいただきたい内容です。 なぜなら、損害保険の見直しは、他の固定費削減とは少し性質が異なるからです。

サブスクや通信費は「無駄を削る」ことが正解でした。しかし、損害保険において、知識なく保険料を安くすることだけに躍起になると、肝心の「万が一の時の生活再建」ができなくなる恐れがあります。これはまさに本末転倒。「無駄」かどうかを適切に判断できる人だけがやっても良いことだと考えます。

あなたが住んでいる地域、建物の構造、乗っている車、家族構成によって、リスクの大きさが全く異なります。そのため、「これに入っておけば正解」という万人に共通する答えが存在しません。

だからこそ、思考停止で「安いプラン」に飛びつくのは危険なのです。

ですので、今回は「節約」ではなく、リスクとコストのバランスを整える「最適化」という視点で、慎重に解説していきます。極論を言えば「やらなくて良い」です。ここにエネルギーを割くくらいなら、メルカリで不用品を売ったり、ウーバーイーツをやったりで収入を増やす方がよっぽど良いと思います。

それでも最低限のポイントはありますので、そちらをご紹介したいと思います。

火災保険:ハザードマップと「家財」が鍵

持ち家の方はもちろん、賃貸の方も加入している火災保険。実は「火事」だけでなく、台風や水害、盗難などもカバーする総合的な保険です。

見直しのポイント①:ハザードマップを確認する

自治体が発行している「ハザードマップ」を確認してください。 例えば、あなたの住まいが「高台にあり、近くに川もない」場合や、「マンションの高層階」である場合、「水災補償(床下浸水などの補償)」を外すことで、保険料を抑えられる可能性があります。 逆に、川の近くや低地にお住まいの場合は、絶対に外してはいけません。ここを削ると、生活再建ができなくなります。

見直しのポイント②:家財保険の金額は適正か?

建物とは別に、家具や家電にかける「家財保険」。この設定金額が「なんとなく」で高額になっていませんか? 「家の中のものを全て買い直したらいくらかかるか?」を冷静に計算してみてください。夫婦二人暮らしで、高「家財1,000万円」といった設定になっている場合は、実態に合わせて減額することで保険料を適正化できます。逆に1000万円が適切だった場合、生活を見直すことをお勧めします。

自動車保険:車両保険という「聖域」をどうするか

第5回で「車を持たない選択」や「カーシェア」について触れましたが、それでも必需品として車を所有する場合、自動車保険(任意保険)への加入は必須です。事実上「義務」と言っても良いと思います。

自動車保険の主な部品は3つ

自動車保険は「相手への賠償」「乗っている人のケガ」「車の損害」の3つが主要な部品です。これらの部品の必要性を考えていくことで見直しを進めていきましょう。個人的には見直し(補償内容をダウン)してよいのは「車の損害」だけです。

【重要】絶対に削ってはいけない補償

相手への賠償となる「対人・対物賠償」は必ず「無制限」にしてください。過去の判例では、死亡事故や重度障害、あるいは店舗や電車への損害で、数億円単位の賠償命令が出たケースがあります。ここを無制限以外で設定して節約するのは、リスク管理として間違っています。必ず「無制限」に設定してください。長年同じような内容で更新されている方は、まれに対物補償が1000万円になっているケースがあります。この場合は「無制限」に補償をUPしておくこと。ここのコストが負担できない方は自動車を運転すべきではありません。

おまけですが、事故の際のトラブル解決を助ける「弁護士特約」も、数百円程度で大きな安心が得られるため、付帯を強くおすすめします。例えば、信号待ちで後ろから追突されたような「もらい事故(過失割合10:0)」の場合、保険会社は法律上、示談交渉を代行できません。 相手が無保険だったり、理不尽な要求をしてきたりした場合、自分一人で戦うことになります。そんな時、弁護士費用を補償してくれるこの特約は、精神的な安定と解決への強力な武器になります。

なお、「乗っている人のケガ」については生命保険(死亡保険)の考え方とよく似ています。最大でどれだけの金額が必要なのかを考えればOK。面倒であれば3000万円〜5000万円であればまず適正として良いと思います。

見直しのポイント①:「車両保険」は本当に必要か?

自動車保険料の大部分を占めるのが、自分の車を直すための「車両保険」です。 新車や高級車であれば必要性は高いですが、例えば「購入から10年以上経過した中古車」の場合はどうでしょうか。 万が一事故で全損になっても、支払われる保険金は「その時点での時価(市場価値)」までです。価値が数十万円しかない車に、高い保険料を払い続けて直す権利を買う必要があるのか。「貯金で買い換えた方が合理的ではないか」という視点を持つことが重要です。

保険とは本来、「発生確率は低いが、起きた時に貯蓄では賄いきれない甚大な損害」に備えるものです。

もし、あなたの車の時価が20〜30万円程度まで下がっているなら、高い保険料を払い続けてその権利を買うよりも、「万が一全損したら、その時は貯金から30万円出して中古車を買う(あるいは頭金にする)」と割り切る方が、経済合理性が高い場合があります。

これを「自家保険(リスク保有)」といいます。保険会社に手数料を払ってリスクを転嫁するのではなく、自分の資産でリスクを飲み込むという考え方です。

見直しのポイント②:代理店型からダイレクト型(ネット型)へ

これは通信費の見直しと似ています。ディーラーなどで加入する「代理店型」から、ネットで直接申し込む「ダイレクト型」に切り替えるだけで、補償内容は同等で保険料が数万円安くなるケースが多々あります。

代理店型は、担当者が対面で説明してくれる安心感がありますが、その分、店舗運営費や人件費が保険料に上乗せされています。一方、ダイレクト型はそれらがカットされているため、補償内容が同じでも、年間数万円単位で安くなるケースが多々あります。「ネットだと事故対応が不安」という声も聞かれますが、現在の大手ダイレクト損保は事故対応拠点も充実しており、顧客満足度も高い水準にあります。

ここで気をつけるべきなのは「補償内容は同等」というところです。特に「相手への賠償」「乗っている人のケガ」の補償がダウンしていないかを注意深く確認してください。

まとめ:最後の砦を、賢く守る

損害保険の見直しは、知識と判断力が問われる「上級編」です。 しかし、ここを適正化できれば、無駄なコストを抑えつつ、本当に守るべき資産を強固に守る「鉄壁の守り」が完成します。火災保険・自動車保険以外にも、個人で加入すべきものに個人賠償責任保険などがあります。ここは別の機会に触れたいと思います。

安易な補償の切り下げは禁物ですが、不要な補償にお金を払い続ける必要もありません。ぜひ、ご自身のライフスタイルとリスクを照らし合わせながら、冷静に点検を行ってみてください。

【次回予告】 【最終回】お疲れ様でした!FIREへの羅針盤を手に入れたあなたへ

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